横浜〈馬車道・関内〉の弁護士木下正信です。
法学教室2019年4月号を読みました。

今回の特集は,【法学はおもしろい】,別冊付録として【平成の法律事件】の論文集が付いていました。
新連載も複数あり,興味深く読ませていただきました。
1【特集】法学はおもしろい
①「ビッグデータ」を考える
②「自動運転」を考える
③「成年」を考える
のうち,特に『②「自動運転」を考える』は,近い将来,AI技術の発展により,自動車が自動運転となった場合の法的問題点について具体的に論じられており,大変勉強になりました。
この論文にもありましたが,自動運転とラフに捉えるのではなく,
レベル1→運転者(人間)の運転を補助するシステムである(走行,制動,加速等の一つがシステムに委ねられている。)
レベル2→運転者(人間)の運転を補助するシステムである(走行,制動,加速等の複数がシステムに委ねられている。)
※レベル1,レベル2では,あくまで運転の主体は運転者(人間)であり,これらのシステムは運転を補助する技術に過ぎないと位置づけられている。
レベル3→自動運転のシステムが主体となって運転し,必要があれば,運転者(人間者)が補助・介入する
レベル4→限定された環境(例えば,高速道路等)において,完全な自動運転
レベル5→全ての状況における完全な自動運転
と分けて検討する必要があります。
自動運転下で交通事故が起きた際に,そもそも誰が法的な責任を負うのか等のこれまでの不法行為法や刑法概念を見直す必要があり,難しい問題です。
2刑法事例の歩き方――判例を地図に
刑法事例問題の解き方に関する論文で,第1回のテーマは「不作為犯」でした。
「不作為犯」については,実務においても,問題となるケースが多く,大変勉強になりました。
「いきなり不作為に飛びつく」のではなく,先行行為(作為)を拾う等,これまで暗黙知とされていた部分が言語化されてていたため,思考を整理するのに役立ちました。
今月も,頑張っていきたいと思います!
弁護士 木下 正信