【法律雑誌】法学教室2020年8月号を読みました。
2020.08.03更新
横浜<馬車道・関内>の弁護士木下正信です。
法学教室2020年8月号(有斐閣)を学習しました。
1 特集1&2
今回の特集1は「 情報法というフロンティア」でした。
具体的には,
Ⅰ 安全とプライバシー
Ⅱ 公的部門のデータ保護と利活用
Ⅲ デジタル・ジャーナリズムと放送
Ⅳ 通信制度
Ⅴ インターネット上の表現行為と媒介者の責任
Ⅵ デジタル時代における知財政策
Ⅶ 情報法と競争法の相互作用――プラットフォームビジネスに対する規制の視点
Ⅷ AIと契約,不法行為,人格権
特集2は,「エンタメ法っておもしろい!」でした。
具体的には,
1 漫画・アニメ・ゲームの「キャラクター」をめぐる法律問題
2 映像・音楽のネット配信をめぐる法律問題
3 芸能人と芸名をめぐる法律問題
4 eスポーツをめぐる法律問題
5 音楽教室等における著作物の実演をめぐる法律問題
とりわけ,特集1における「AIと契約,不法行為,人格権」という内容が示唆に富んでいました。すなわち,民法等の法律は,これまで,自然人や法人を権利義務を享受する主体として考えてきましたが,「AI」の発達により,これまでの権利義務論ではとらえきれない事態が発生していく可能性があります。AI自体が契約当事者になることはできるのか,AIが名誉を傷つけられた場合に,自然人と同様の名誉毀損のルールは妥当するのか(妥当させていくべきなのか)等の問題が近い将来発生していくと考えられます。現行法制を振り返る良い機会となった上,今後のAI法制を考える良い題材となりました。
2刑法事例の歩き方――判例を地図に
第16回のテーマは「2項犯罪――強盗利得罪を中心に」でした。
2項犯罪については,「どの行為を切り取るべきか」の判断で迷うことも少なくなく,今回の論文により分析の視座を整理することができました。
今月も,頑張っていきます!
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