横浜〈馬車道・関内〉の弁護士の木下正信です。
昨日(平成30年2月27日),日弁連ライブ実務研修「相続関係訴訟~争点整理と証拠収集の在り方を中心に~」を受講しました。
【第1部】現職裁判官の講演では,
〇民事訴訟一般の争点整理と証拠収集の在り方の復習
〇相続関係訴訟において争点整理と証拠収集の在り方について留意する点の確認
〇典型的な事件類型について争点整理と証拠収集の在り方について留意する点の確認
が行われました。
争点整理について,代理人としての弁護士と,裁定者としての裁判官では,役割が異なりつつも,お互いの立場を尊重して,対応していくことが必要だと改めて感じました。
各論では,養子縁組無効(養子縁組不成立も含む)確認訴訟,遺留分減殺訴訟,被相続人の預貯金の生前の引き出しの問題などについて,
裁判所の観点から,具体的な審理・立証のポイントが示されたので,今後の事件処理の参考になりました。
とりわけ,被相続人の預貯金の生前の引き出しにつき,引き出し行為が,被相続人の死後に行われた場合には,最高裁平成28年12月19日最高裁判決民集70巻8号2121頁が出た以降は,各相続人の預貯金債権の法定相続分による準共有持分に対する侵害と構成する考え方が示されたところ,現職裁判官もそのように考えているとのことで,参考になりました(なお,この考え方は,片岡武・管野眞一編著「第3版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」(日本加除出版株式会社)64頁や斎藤毅「時の判例」ジュリスト1503号76頁に示されています。)。
これからも,日々研鑽を怠らず,皆様により良いリーガルサービスが提供できますよう努めて参ります。