横浜〈馬車道・関内〉の弁護士の木下正信です。
私は,毎年この時期に発刊される,日本評論社の法律雑誌である「法学セミナー」の『最高裁判決―弁護士が語る』を愛読しています。
『最高裁判決―弁護士が語る』は,その年に下された最高裁判決の訴訟代理人の活動手記です。
当該代理人が,ケースを解決するうえで,「どこを悩み」「どこを工夫し」「どこを挑戦したか」が学べる貴重な資料です。
今年のラインナップは,
●国際自動車事件――「残業代ゼロ」の賃金制度を許さない闘い
●最高裁逆転無罪の元アナウンサー窃盗被告事件
●ビルメンテナンス業者じん肺管理区分認定事件
●「面会回数と親権者の指定」事件―いわゆる100日面会提案事件
●参議院議員定数是正訴訟
●グーグル検索結果削除請求事件
●強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
でした。
どれも,社会的耳目を集めた事件です。
どの先生も,事案と真摯に向き合い,悩みながら,試行錯誤しつつ,尽力されていました。
●最高裁逆転無罪の元アナウンサー窃盗被告事件 の久保豊年先生の
「僕は、今回の無罪判決は嬉しかったけど、それよりも、これまで明らかに冤罪だろうと思って戦ってきた多くの事件で有罪判決をもらったことへの後悔が大きい。もっとこうすれば良かったのではないだろうか、何故こうしたんだろう、と。ただ、過去を後悔しても仕方がない。これからの事件に全力を尽くすしかない。」という言葉が印象的でした。
私も,「勝つべき事件を勝ちに導ける」ように,これからも,より一層精進して参ります。